パッチテスト・スティンギングテストで安全性を訴求する方法②

試験結果の内容の流用も基本的にNG

パッチテストやスティンギングテストを実施していても、その試験方法やデータの詳細をそのまま広告に掲載することは原則として避けるべきです。

化粧品等の適正広告ガイドライン 2020年版(第2刷)では、次のように記載されています。

“一般向けの広告にあっては、臨床データや実験例等を例示することは消費者に対して説明不足となり、かえって効能効果等又は安全性について誤解を与えるおそれがあるため原則として行わないこと。”

「敏感肌用」「敏感肌向け」という表現は可能

「敏感肌用」「敏感肌向け」といった表現は、使用感や使用方法などから、対象となる肌質や利用者層を示すものとして、広告でも使用できます。ただし、「〇〇専用」という表現は、原則として避けるべきです。

化粧品等の適正広告ガイドライン(2020年版 第2刷)では、次のように説明されています。

“なお、「○○専用」の表現ではなく、使用感や使用方法等から判断して特定の年齢層、性別等が対象である「○○用」、「○○向け」等の表現は差し支えない。”

例えば、以下の表現は認められています。
「敏感肌用」
「乾燥肌用」
「子供用」
「女性向け」

逆に、以下の表現は望ましくありません。
「敏感肌専用」
「女性専用」

「○○用」「○○向け」は、あくまでその肌質や層を意識した商品設計・使用方法を伝えるものなので問題ありません。一方で「○○専用」は、それ以外の人には使えない/効果がない といった誤解を与える恐れがあるため、原則避けるべきとされています。

広告表現は「全体の見え方」も注意

パッチテストやスティンギングテストの試験結果を正しく記載していても、広告全体の表現やデザインによって、消費者に「過度な安全性の訴求」と受け取られる場合があります。

● 広告画像の大きさ・強調
● 記載の前後関係や全体の文章構成

これらによって、誇張表現と判断されることがあります。

例えば「敏感肌でも安心」といったNG表現は使っていないものの、それを過度に連想させる画像を大きく用いた場合などは、誇張表現と判断されかねません。つまり、「文字で書いていないからOK」ではなく、消費者がどう受け取るかで判断されるということです。

なお、薬機法第66条第1項には、以下のように記載されています。

“何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の名称、製造方法、効能、効果又は性能に関して、明示的であると暗示的であるのを問わず、虚偽又は誇大な記事を広告し、記述し、又は流布してはならない。”

化粧品等の適正広告ガイドライン(2020年版 第2刷)でも、図面・写真等の表現 について次のように注意喚起されています。

”図面、写真等について使用前後に関わらず、図面、写真による表現については、承認等外の効能効果等を連想させるもの、効果発現までの時間や効果持続時間の保証となるもの、また安全性の保証表現となるものは認められない。これらに該当しない場合でも、誇張的な印象を与えないよう注意すること。”

認められる例として、具体的には、以下のような表現が例示されています。
● 汚れた肌や洗浄後の肌の比較
● 乾燥した肌と保湿された肌の比較
● フケがある頭皮とシャンプー使用後の頭皮の比較

一方で、以下の表現は認められません。
● 「乾燥による小ジワを目立たなくする」など、未承認の効能効果を示すもの
● 「メラニンの生成を抑える」など、医薬品的な予防効果を示すもの

その他気をつけるべき法律・ルール

パッチテストやスティンギングテストについて広告する場合、気を付けるべきなのは薬機法だけではありません。消費者に正しく伝えるために、ほかにも守るべきルールがあります。
ここでは特に気を付けたい代表的なものを2つ、わかりやすくご紹介します。

景品表示法|消費者に誤認される広告を防ぐ
景品表示法では、商品の品質や効果について実際以上に優れていると誤認させる表示(優良誤認表示)を禁止しています。

薬機法でも「安全性保証の禁止」を定めていますが、景品表示法も「消費者がどう受け取るか」を重視し、広告全体の印象で誇張表現を規制している点が特徴です。

例えば、パッチテストやスティンギングテストを行っていても、広告全体で安全性や効果を過度に強調すると、景品表示法違反と判断されることがあります。

化粧品の表示に関する公正競争規約|業界独自のルール
化粧品業界では、景品表示法や薬機法に加えて、化粧品の表示に関する公正競争規約 という自主基準も設けられています。

この規約でも、以下のような表示が禁止されています。

● 安全性や効果を「確実」と保証する表現
「必ず安全」「絶対に効果がある」など
● 実際よりも著しく優れていると誤認させる表現
「最高」「万能」「安全」など過度に強い言葉の使用

規約は、化粧品が「肌に直接使うもの」であることを踏まえ、消費者が正しい知識で商品を選べるよう、広告・パッケージ・パンフレット・Webサイトなど、あらゆる表示を対象にしています。

社内だけで判断せず薬務課や専門家に相談しよう

どの範囲まで書いていいか迷った場合、社内だけで判断するのは避けましょう。
薬機法やガイドラインの解釈は、製品内容や広告文脈によって異なることもあります。
そのため、各都道府県の薬務課や専門家に事前に相談するのがおすすめです。
東京都なら「東京都健康安全研究センター」、その他の地域も薬務課が窓口です。

パッチテスト・スティンギングテストは、うゆる にご相談ください

パッチテストやスティンギングテストは、安全性をアピールするうえで有効な手段ですが、広告表現には専門的な判断が求められます。

そもそも臨床試験は、訴求やエビデンス取得を目的として実施されるものです。
うゆるでは、試験の目的に応じて最適な試験をご提案しており、例えば「訴求したい内容」をもとに試験設計をご案内することも可能です。まずはお気軽にご相談ください。
施設管理費用のコストカット

施設管理費用のコストカット

訪問型にすることで、円滑な試験運営と試験費用のコストダウンができます。
うゆるは、介護施設や就労支援施設といった施設様でご就業されているスタッフ様を対象に臨床試験を行うことで、施設固定費をかけず、高品質で円滑な試験運営を行っています。
就労支援施設や老人介護施設などの施設様に伺い試験評価に最適な環境の元、スタッフ様のご休憩時間やご就業の合間のお時間をいただくことで円滑な運営の元で試験を行います。
負担軽減費(協力費)のコストカット

負担軽減費(協力費)のコストカット

試験にご参加いただく被験者様にお支払いする「負担軽減費(協力費)」。
訪問型にすることで、わざわざ試験会場に被験者様が時間を割き、交通費をかけていらしていただく労力を減らすことができます。つまり被験者様の負担が大幅に減ることで、負担軽減費(協力費)のコストも同時に抑えさせていただいています。
さらに訪問型の場合、被験者様のキャンセル(試験中止)が発生しにくいことから、余分なコストカットだけでなく、円滑なデータ採取にも一役買っています。
被験者様の管理をミニマムに

被験者様の管理をミニマムに

被験者様ご参加の連絡や事前の健康状態の把握は、各企業様・施設様から情報をいただくことで完結できます。つまり、うゆるのスタッフが被験者様を管理するための時間・労力を最小限で試験を運営することも、円滑でリーズナブルな試験を運用できている1つの理由なのです。