お客様からのご質問まとめ

よくあるご質問FAQ

うゆるが、臨床試験のアレコレにお答えします。

スティンギングテストって何ですか?
まだまだあまり良く知られていない、スティンギングテスト。
よくこんなご質問をいただきます。
『スティンギングテストって、何を評価するの?』『敏感肌パッチテストと何が違うの?』『実施すると、どんな訴求ができるの?』『どうやってテストしてるの?』などなど。。。
多くの方がご存知ないのも無理はありません。パッチテストと違い、定められた評価ガイドラインや試験方法の基準がないため、評価方法や基準は、論文を参考にして実施されます。つまり試験方法や基準は各社各様なのです。
ただ、スティンギングテストの目的は明確に定義されています。『お肌が敏感な方が実際に製品を使用した際に、どの程度の刺激感を感じるか評価すること』です。

オーソドックスな試験方法としては
敏感肌の方の頬に製品を塗布し、一定時間おきます。決められた時間で感覚刺激を評価していただきます。
この中で
・敏感肌の方(被験者様)を選定する基準
・感覚刺激を評価する時間
・感覚刺激の評価基準
これらは参考にする文献などにより変わってきますが、試験の目的は同じです。

スティンギングテストで感覚刺激の程度を確認することで『スティンギングテスト済み』の訴求は可能になります。また、刺激感が低いことが確認できれば『低刺激』を訴求するための科学的根拠ともなります。
弊社において敏感肌の方を対象にしたパッチテストとスティンギングテストを同一被験者様で行った際、パッチテストでは症状がなくても、感覚刺激を感じる方はいらっしゃいました。逆もしかりです。スティンギングテストでは感覚刺激の評価ですが、パッチテストはお肌の刺激反応をみます。目的が異なるので、アプローチも得られる結果も訴求も変わってくる、ということです。

うゆるでは、お手軽・スピーディに『スティンギングテスト済み』が訴求できます。結果の解説サポートも親切・丁寧に行いますので一度お気軽にご相談ください。
倫理委員会って何ですか?
倫理委員会は、臨床研究(臨床試験)が法的・科学的・倫理的の3つの観点においてに倫理的に問題ないかを確認するため、試験資料をもとに審査を行います。
弊社で行われる化粧品等の臨床試験の場合、「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」に従って実施されますが、
特定臨床研究の場合、厚生労働大臣の認定を受けた認定臨床研究審査委員会で行われます。特定臨床研究は臨床研究法に基づき実施され、法規制の対象となる研究です。

倫理審査会の委員の構成は、以下の①~③を1名以上で計5名以上の男女です。
①自然科学の有識者(医学・医療の専門家等)
②人文・社会科学の有識者(倫理学・法律学の専門家等)
③一般の立場から意見を述べることのできる方

弊社の倫理審査委員会にあたってご試験ご依頼の場合、検体(製品)情報をご教示いただけますと審査資料を作成し、弊社の倫理審査委員会にて審査をいたします。
弊社が指定する資料(統一書式に従う)を指定の日時にまでにご提出いただきますと審査させていただきます。
審査を行うにあたって追加料金が発生することはございません。
規定や過去の実施状況は、倫理委員会報告システムに掲載されています。
実のところよくわからない。パッチテストとは?
『パッチテスト済み』で自社製品を訴求したい!そんなご希望から試験をご依頼いただくことは多々ありますが、訴求での使用のみで終わっていませんか?
実は言うとよくわからない、パッチテストについてもっと理解したい!という方へ解説を行っていきます。

まずはパッチテストとは?製品が皮膚に触れたことによる皮膚反応を確認する試験です。
製品が触れたことによる、『かぶれ』(医学的に『接触皮膚炎』といいます)の有無、かぶれの程度を評価します。具体的な皮膚反応としては赤くなったり、ブツブツや水ぶくれができたりします。かぶれ(接触皮膚炎)には、刺激物質に触れることで起こる刺激性皮膚炎とアレルギー反応によるアレルギー性接触皮膚炎など、症状・程度も様々ですので、弊社では症状の程度を皮膚科専門医が判定します。

なぜパッチテストを行うの?パッチテストを行う際の理由として、
『販売前にデータが欲しい』『安心してお客様にご使用いただくため』『広告訴求のため』などのご意見があるかと思いますが、大前提は『製品の安全性の確認』のためです。
日常的に使用する製品の場合、触れる事で起こる皮膚反応を確認することは大切です。

パッチテスト活用法例えば、パッチテストで反応が出た際に、反応の原因と考えられる成分で成分パッチを行うことも1つの方法です。

多くの方にご使用いただきたい製品、安全にご使用いただくために、データ蓄積を行っていただくためにパッチテストをご活用いただくのは如何でしょうか。
臨床試験の種類と広告訴求
臨床試験と広告訴求の内容について『試験をしたら、何と書いていいの?』
というご質問をよくいただきます。

うゆるで承る臨床試験と広告の関係について・パッチテスト:『パッチテスト済み』
・敏感肌の方を対象としたパッチテスト:『敏感肌対象パッチテスト済み』
・スティンギングテスト:『スティンギングテスト済み』、あとは結果次第ですが『低刺激』と表記することも可能です。
敏感肌を対象にパッチテスト等行うことで『敏感肌用』として製品を販売することも可能です。臨床試験を『科学的根拠』とし『◯◯テスト済み』や『敏感肌用』の表記が可能です。

その他の安全性試験ではパッチテストを繰り返すアレルギーテスト(RIPT)は『アレルギーテスト済み』の表記ができます。

有効性試験と広告表記他にも有効性試験にはなりますが、
『乾燥による小じわを防ぐ』や『シワ改善』も臨床試験を行うことで表記できる『臨床試験済み』です。
有効性評価試験で結果が出た製品には記載することができます。
(一部、成分配合によって記載されている製品もあるようですが)

広告したい内容から臨床試験を選んでみることも1つの方法ですよ。
是非とも検討されてみてはいかがでしょう?
敏感肌とは?
弊社では『敏感肌を対象としたパッチテスト』や『スティンギングテスト』などの敏感肌対象の臨床試験を承っていますが、そもそも『敏感肌』とはどういうお肌なのでしょうか?
敏感肌は実は、医学的には明確な定義がないことをご存知ですか?
医学的に肌質(肌タイプ)として定義されているのは4つだけです。
①乾燥肌
②普通肌
③脂性肌
④混合肌
この見分け方の基準があります。
洗顔後に何もつけずに15〜20分した際のお肌状態がどれに当てはまるか?です。
① 乾燥肌:顔全体がカサつく方
②普通肌:カサつきも、テカリもない方
③脂性肌:顔全体がうっすらテカってる方
④混合肌:カサつきとテカり部分が両方(例えば、額はテカってるけど、口周りはカサつく。等)

肌質ではない、となると敏感肌とはどういうお肌なのか?
結論から言うと、敏感になる原因は様々ありますが『バリア機能が弱くなることで刺激を感じやすい状態のお肌』が敏感肌です。
具体的には、アトピーで先天的にバリア機能が弱い方もいれば、疲労や不眠・ストレス・生活習慣の乱れや乾燥で一時的にバリア機能が弱くなり敏感になる方、脂性肌の方でも過度な洗浄でバリア機能を壊してしまって敏感になる方と様々なのです。それくらいお肌は繊細で、様々な要因で敏感になるということです。
どんな方、どんなお肌質でもなる可能性のある『敏感肌』。一時的でも根本的でも、頼れる化粧品があれば嬉しいですよね。そのためにも『敏感肌』の方にご協力いただいてデータを積み上げて行くことが私たちの使命です。
敏感肌の判断基準はありますか?
「敏感肌の判断基準はありますか?」
「どういう基準で敏感肌と判定されていますか?」
これらのご質問をいただきます。

試験によって多少条件は異なりますが、弊社の敏感肌の判断基準のステップは大きく分けて2段階あります。
ステップ1:敏感肌の素因をヒアリング
ステップ2:皮膚刺激感チェック

ステップ1では、以下の3つをメインにヒアリングすることによって敏感肌か否かを確認します。
① 敏感肌のご自覚の有無と敏感肌と思われた理由
② アトピー性皮膚炎など敏感肌の素因の有無
③ 化粧品等を使用された際に皮膚トラブルが出たご経験の有無

ステップ1では、ご自身のお肌や過去のご経験から振り返って敏感肌の素因があるかを確認させていただきます。敏感肌のご自覚がなくても、アトピー性皮膚炎の既往やお化粧品トラブルの経験などが複数あれば敏感肌の素因はほぼ有ります。
ただしステップ1のみでは、男性の敏感肌さんは女性と比較すると化粧品の使用経験が少ない方が多いなどのことからステップ2も行います。

ステップ2では、敏感肌の1つの基準としてスティンガー(皮膚感覚刺激を感じやすい方)か否かを確認します。
具体的には、生理食塩水を塗布した際には刺激感がなく、5%乳酸を塗布した際に刺激を感じるか否かが判断基準です。

これらの確認事項をもとに、敏感肌か否かを判断します。
ただし、ステップ2は、敏感肌であってもその時のお肌状態によっては、過度に敏感になることで条件をクリアできない方もいます。
弊社では試験前または試験時に必ずお肌状態を確認の上、試験を開始させていただきます。
被験者さんの選定基準を教えてください
人を対象とした臨床試験を行う上で、被験者様のご協力が必要となりますが、被験者様から安全かつ信頼できるデータを取得することが大切です。そのためには、適切な参加基準に沿って被験者様を選定する必要があります。
被験者様の選定とは、大きく分けて2つの目的で行います。
①試験結果へ影響が生じる可能性がある条件をもつ方を除くこと。
②被験者様の安全を確保するために健康状態を確認し、ご案内の可否を決定すること。
この2つです。

次に、具体的にどのような試験への参加基準を設け、どのように被験者様を選定しているのか、弊社の選定基準と選定手法をお伝えします。
まずは被験者様の選定基準ですが原則以下の基準を掲げています。
・成人であること。
・日本人であること。(ご要望にもよりますが、国内で日本人を対象に販売される製品であれば、原則日本人で行います)
・指定の期間中、試験結果に影響する通院、服薬がないこと。
・妊娠中、授乳中ではないこと。
・試験参加期間中、他の臨床試験に参加していないこと。
他にも、使用されるお薬や既往歴、性別、お肌状態(普通肌、敏感肌)なども試験によってそれぞれ設けます。
また、当日の健康状態によってはご参加いただけない場合もあります。例えばパッチテストでは、ご参加日の背中のお肌状態などによっては試験結果への影響・被験者様へのお体への影響を考慮してご案内できないこともあります。
ここまでが被験者様としてご案内する方を選定するための基準です。

次に選定手法ですが
弊社では、事前に試験条件をご確認の上ご参加に問題のない方を対象に同意説明を行います。同意説明では試験概要や個人情報のお取り扱い、試験品の説明、副作用などのご説明を行った上で問題ないことを確認後、同意書にサインをいただけた方を試験にご案内します。
ご案内を進める上で、まずは健康状態や服薬状況を確認します。そして、試験品をご使用いただく上で必要なお肌状態、健康状態を確認し、問題なければ試験がスタートします。

これだけの基準と確認するためのステップを設けてようやく試験がスタートします。安全かつ信頼できるデータを取得するための大切な工程です。
アトピー対象の臨床試験を依頼できますか?
敏感肌の方での臨床試験を承っていると『アトピーの方を対象にパッチテストできますか?』というご質問をいただくことがあります。
できる•できない、という点では不可能ではない、というご回答になります。
ただし、試験目的によっては通常の敏感肌パッチテストの価格•お手続きと比較すると大幅にコストと手間がかかかることから実施を断念せざるを得ない可能性がございます。

詳しくご説明しますと、『アトピー対象』のパッチテストは『疾患対象』の安全性評価試験であることから、『お薬と同等』の臨床試験とされ、『特定臨床研究』での実施が必須となってしまいます。『特定臨床研究』は、お薬の臨床試験などを行う際の研究カテゴリであり、疾患をお持ちの方に対して疾患の改善が認められる有効性評価試験や、疾患をお持ちの方も安心して製品を使えることを確認する安全性評価試験等が該当するため、食品(サプリメント)や化粧品であっても対象となる場合があります。
この場合、通常の化粧品の臨床試験とは異なる実施体制や手続きを踏む必要があるため費用も格段に上がります。
ただし、『アトピー対象のパッチテスト済み』となると、『疾患対象』の安全性評価試験となりますが、『敏感肌パッチテスト済み』の場合、敏感肌の方を対象にパッチテストを行いますが、アトピーの方も被験者様として参加いただくことは通常の化粧品臨床試験と同等に実施することが可能です。

このように試験目的やご依頼•ご要望に応じて試験デザインをご提案させていただきます。
お気軽にお尋ね下さい。
敏感肌パッチテストとスティンギングテストは何が違うの?
実によくいただくご質問です。
どちらも敏感肌の方を対象にする試験のため、混同しやすいかとは思いますが

結論から言いますと全く違う試験です

まずは、敏感肌パッチテストについて詳しくお話ししますと
敏感肌の方を対象にパッチテストを行う試験を敏感肌パッチテストといいます。
パッチテストは、製品が(検体)がお肌に触れたことによる皮膚反応をみる試験ですが、この試験を敏感肌の方で行う、ということです。

次にスティンキングテストは
敏感肌の方が製品を使用した際にどの程度の刺激感があるかを評価する試験になります。

同じ敏感肌の方を対象とした試験ですが
パッチテストは皮膚反応を見る試験スティンギングテストは感覚刺激を被験者様が評価する試験と目的・評価軸が異なります。

評価する場所(体の部位)が異なる点も大きな違いです。
パッチテストでは背中や二の腕(上腕内側)で評価するのに対して、スティンギングテストでは頬などの実際の使用部位で評価をすることが殆どです。
感覚刺激は感じやすいけれど皮膚反応はあまり出ない方もいれば、感覚刺激はさほど感じないけれど皮膚反応で赤みなどが出やすい方もいます。
製品や有効成分の特性によっては刺激感は生じにくいけれど、長時間皮膚に触れると赤みが出やすい製品もあります。

そのため広告訴求としてはパッチテストを行うことで『パッチテスト済み』と記載できますし、スティンギングテストでは『スティンギングテスト済み』に加えて、試験結果によっては『低刺激』まで記載可能になるのです。

製品の特徴や訴求したい内容をもとに、評価試験を選定することで製品の特性をデータで捉えることができます。ご参考にされてみてください。
敏感肌対象の臨床試験は高い?
昨今、敏感肌の方は増えているように感じます。
「敏感肌化粧品」といわれる製品を目にする機会も増えて、「敏感肌」は珍しい言葉ではなくなっているのではないでしょうか?
そんな中、普通肌の方を対象とした臨床試験(普通肌パッチテスト等)ではなく敏感肌を対象とした臨床試験(敏感肌パッチテスト等)を選択される企業様も多くいらっしゃいます。
そんな中ご質問いただくのが
『どうして敏感肌対象のパッチテストは、普通肌のパッチテストよりも試験価格が高いのか?』というご質問です。

詳しくご説明していきましょう。
理由は2つあります。労力コストとリスクヘッジのための費用です。

まずは、労力コストの面ですが
昨今、敏感肌の方は増えてはきているものの、普通肌の方に比べると敏感肌の方は数は少ないため敏感肌被験者様をお探ししてご案内するにはプラスアルファの労力がかかっていることが1つ目にあります。さらに、お探しする際だけでなく、ご参加当日のお肌状態によってはご案内させていただけない可能性が普通肌の方よりも高いのが敏感肌の方です。
ちなみにですが、普通肌に比べて敏感肌の方はバリア機能が弱く、感作されやすいためご参加には普通肌の方以上に配慮が必要となります。

次に、リスクヘッジの面ですが
敏感肌の方は普通肌の方に比べるとパッチテスト等に参加された際お肌トラブルが起きる可能性が高いことが想定されます。
そのため実際よりも多い想定人数で試験を運営することで試験を途中で辞める方がでても結果に影響しないように備えることが多いため費用に反映しています。
また、お肌トラブルが生じた際、お薬の使用や試験終了後も安全確認を行うなどのプラスアルファの労力やケアかかることを想定した費用になっています。

普通肌の方との違いやお肌質が異なることで想定されるトラブルも異なるため、試験の仕組みや価格に影響するのです。
うゆるの臨床試験は、なぜ早くて安い?
『なぜ、うゆるのパッチテストやスティンギングテストは安いんですか?』
『なぜ、そんなに納期が早いんですか?』、『何が他社さんと違うんですか?』
よくいただくご質問ですが、『訪問型』の臨床試験『社内一貫』で行うためです。
『訪問型』の臨床試験とは、私たちが被験者様のいらっしゃる企業様や法人様などに伺って行う臨床試験のことです。訪問診療の臨床試験バージョン、といったイメージですね。
通常の臨床試験の場合、試験実施機関が試験実施を公表したあとは、被検者様に試験のご予約をいただき、指定の日時に試験会場にお越しいただいて試験を実施します。被験者様には協力費(負担軽減費)をお渡ししますが、試験を行うことでお身体へのご負担やいただくお時間、さらにはお越しいただく交通費等を考慮し設定されます。
訪問型にすることで
①試験公表後、各法人様でまとまった人数を確保いただける点
②交通費がカットされた協力費(負担軽減費)
この2点が大きく違ってきます。
詳しくご説明します。
① 法人様ごとに被験者様を集めていただくことから、被験者様を集めるためのコスト(被験者募集のための費用、被験者管理費用)をかげずに、スピーディに被験者様を集めることができます。さらに、ご就業先に伺うので試験を途中でやめる方も少なくコストロス(データが取れない方へのお支払い)が少ないことも特徴です。
② 訪問型の場合の協力費(負担軽減費)は、試験会場にご足労いただく交通費がカットされたリーズナブルな協力費になります。来場回数が多いほどご依頼費用には大きく影響します。

被験者様の個人情報や企業様からいただく情報を守るための環境・運営はもちろん、適切な評価を行うための環境設定と運営は、ご協力の法人様のお力添えいただき、十分な配慮の元で実施しています。

試験開始手続きから臨床委員会、被験者管理から結果のお渡しまでを全て社内で管理・運営しています。臨床写真の画像処理もフォトグラファーが監修により社内で行っています。1つ1つを社内で実施することで、余分なコストをかけずに円滑に臨床試験を行えています。
検体の設定濃度について
パッチテストなどを行う際の検体(製品)の設定濃度のご質問について。
例えば、シャンプーなどの洗い流す製品や化粧品原料の場合、濃度ってどれぐらいがいいですか?というご質問をいただきます。
まずはパッチテストの場合、洗い流す化粧品(シャンプーや洗顔料、クレンジングなど)は1%希釈、化粧品原料や入浴剤のような希釈が想定される製品は実際の想定濃度以上になるよう希釈し(ただし安全性が問題ない範囲での上限で)パッチテスト実施します。ただし洗浄剤でも、日用品などの皮膚への塗布が目的ではなく皮膚に触れることが想される製品(食器用洗剤、衣類用洗剤など)は、界面活性剤濃度をもとに濃度設定をさせていただきます。これは化粧品よりも日用品の洗剤の方が、より界面活性剤を多く含むことが理由としてあります。検体(製品)毎に界面活性剤の配合濃度が異なるため試験毎の設定が必要となります。
スティンギングテストの場合は、実際の想定濃度で試験を行うことが望ましいです。これはスティンギングテストの目的が『お肌が敏感な方が実際に製品を使用した際、どの程度の刺激感を感じるか評価すること』であるためです。具体的には、洗い流す製品の場合、どうゆうご状況でどのくらいの量を使うかで検体(製品)濃度がかわります。お化粧品の場合ですと、濡れている手やお肌に使うのか、製品は液状ででるのか泡状で出るのかで設定使用量は変わります。使用量と薄める水のバランスなどの要素で設定濃度が異なるため、試験毎の設定が必要となります。
被験者様をご案内するにあたっての体制・心構えについて
たくさんの方にご参加いただくことを目的とした臨床試験を行う際、体制や基準、受け入れ窓口の整備が必要になってきます。
ますは、受け入れる際のファーストコンタクトとして「同意説明と同意取得(インフォームドコンセント)」を行います。
その後、試験実施企業が安全性を確認し、試験を開始します。
今回は、インフォームドコンセント~試験開始までの流れについて、弊社の体制や考えについてを少し詳しくご説明します。

同意説明会
臨床試験を行う際、ご参加を希望される方を対象に試験開始前には『同意説明』を行います。
同意説明とは、試験に参加できるか否かを参加希望者の方に判断いただくための試験情報をご説明をいいます。
同意説明では具体的には以下のような情報を共有します。
・試験目的や概要
・試験品の概要
・試験の参加条件
・試験参加期間中の注意点
・想定される副作用
・いただく個人情報の取扱
・緊急連絡先の共有
などなど。ご参加の意思に影響を与える可能性があるものは全てご説明します。

同意取得
次に同意説明をうけ、ご参加が問題ないと判断いただいた被験者様には署名にて参加同意の意思をいただきます。同意説明・ご署名の段階で、「代諾者」が必要な場合は代諾者の方にも同意の上、署名をいただきます。代諾者とは、被験者の意思を代弁できると考えられる方を指します。
弊社の場合、基本的には被験者様自身が試験内容をご理解いただいた上でご署名をいただくことから、代諾者を設定することはございません。ただし健康管理上の観点から、緊急自体発生時・健康への影響が懸念されることが生じた際には、ご自身で弊社にご連絡が取れる方、または、被験者様に代わって健康確認を行なった上でご連絡をとっていただける方が身近にいることをご参加の条件としています。

体調確認
このように参加同意の意思を署名にて確認し、体調確認(肌状態の確認)や服薬状況の確認を経た上で『参加可能』と判断された場合、試験のご案内をする、という流れです。

弊社におきましては、ご本人様の参加のご意思だけでなく、試験の評価に影響する要因がないことや試験に参加することによって健康に影響を及ぼす可能性が限りなく低いことを確認した上で、ご参加を承諾をする、という基準のもと試験を実施させていただきます。
試験の『質』ってどう見るの?
臨床試験の「質」は、報告書を見ただけではわかりにくいと思われる方も多いです。
では、どうやって見極めたらいいのでしょう?

これは「質」の定義によって変ります。
弊社で考える試験の「質」ですが、このように考えます。
試験品を使用することで得られた結果を評価・分析する。この精度を『質』と考えます。

「質」を保ためには、様々な配慮が必要ですが、特にこの3つが要となります。
①試験条件•被験者選定
②試験実施体制
④結果評価

詳しくご説明いたします。
①試験条件•被験者選定
試験品を評価する上で、どんな方にどんな条件で使用いただくか、
どんな環境で評価するか、ここが重要です。
弊社におきましては、被験者様は日本人成人(20歳以上)を対象に国内で臨床試験を行います。
試験をスタートする前に各試験のご参加条件やご参加いただけない条件、試験期間中にお守りいただく事項を確認いただき参加のご意思をいただきます。


②試験実施体制
どんな体制で運営されているか、結果に影響を与える要因を減らせているか、等の体制も重要です。
弊社では、陽性コントロールや陰性コントロールなどの設定で被験者としてデータに加えて問題ないか等精査してデータを収集する体制を整えております。
また、年間症例数5000症例を超える技術スタッフが臨床試験を運営します。

④結果評価
実績や経験のある方が適切に評価できることも大切です。
弊社では、化粧品の臨床試験の実績のある皮膚科専門医が試験を監修•評価します。
評価に重要な臨床写真はフォトグラファー監修によって画像編集され、納品します。


「質」とは一言で、言えな部分もありますが、
上記の条件をクリアにすることで、結果の精度は一定保たれると考えています。
「専門医」ってなに?
うゆる臨床試験を行う上で、『専門医』が、試験の評価・監修をしています。
専門医とは各学会(皮膚科の場合、日本皮膚科学会)の定める基準に達し、かつ実績の伴う医師のみが専門医と認められます。
化粧品の臨床試験を実施する上で、専門医が携わらなければ実施できない臨床試験もあります。
安全性評価ガイドライン(日本香粧品学会編集事務局 安全性評価委員会)において、ヒト使用試験ガイドラインの 試験の実施の中で、「日本皮膚科学会認定皮膚科専門医に委託することを前提とする」とあります。
また、化粧品の安全性、評価に関する指針(2015)のヒトパッチ、においても、「皮膚科専門医の指導のもとに行う」と明記されています。
つまり、化粧品の安全性評価試験においては、一定の基準に達した専門医による監修や指導の元での実施することが必要と考えられている、ということです。
また、弊社におきましては、デリケートゾーンに関する臨床試験(実際の使用に基づいたスティンギングテスト)では使用部位や試験品の特性から、産婦人科専門医の監修も併せて行っております。

臨床試験を行う上での「質」をどうに捉えるかは企業様によって変わるかとは思いますが、弊社の考える品質への担保として医師が「専門医」であるという基準のもと試験を運営しています。
デリケートゾーン用コスメのスティンギングテストについて
最近増えているフェムケアアイテム
中でもデリケートゾーン用コスメは使用される方も年々増えてきています。
デリケートな部分に使用することもあって、ユーザーの方にとっては、『合わなかったらどうしよう?』『刺激感がないかな?』など購入前に心配される方も多いのも事実。そのためご心配なく手にとっていただくためのPRをされたい企業様が多々いらっしゃるため、うゆるにも良くお問い合わせいただきます。
そこで、5月からデリケートゾーン用コスメのスティンギングテストをスタートしました。

スティンキングテストとは、敏感肌の方(感覚刺激を感じやすい方)が製品を使用した際にどの程度の刺激感があるかを評価する試験になります。
そこで、敏感肌の方を対象に実際の使用部位で使用した際の刺激感を評価するスティンギングテストです。10名以上の敏感肌の方で刺激感を確認しての『低刺激』や『スティンギングテスト済み』はPR広告への活用はもちろん、企業様のデータ取得の面でも1つの安心材料としていただけるかと思います。
うゆるの実施体制ですが、使用部位を考慮し、皮膚科専門医だけでなく産婦人科専門医の監修により試験を実施しますので、何か体調のお変わりにも対応できる体制で臨みます。他にも衛生面の留意もちろん、適正な評価を行うため試験実施計画書(プロトコール)は、各専門医、専門の特定行政書士が校閲しますので、その方法に従って試験を行います。
是非ともご活用いただきたい新規試験です。
海外で既に販売されている製品はパッチテストは不要?
昨今、アメリカ・ヨーロッパ以外でも、韓国コスメや中国コスメなど海外のお化粧品が手に取りやすくなってきましたよね。
そんな中、弊社にいただくご質問として『海外の方向けの製品を日本で販売する際、国内でもパッチテストなどを行なった方が良いのでしょうか?』『海外ではパッチテストが済んでいますが、日本人でもパッチテストを行いたいのですが結果がかわる可能性はありますか?』等のご意見をいただきます。

回答しますと、国内で日本人向けに販売されるのではあれば、日本国内で日本人を対象にパッチテストなどを実施いただいた方が、安心して販売いただけると考えています。

理由としては、日本人と海外の方ではお肌質が異なります。人種でお肌の特徴が異なるのは、なんとなく想像がつきますよね。日本人は、白人・黒人の方と比較して角層が薄いことや、そのため皮膚吸収性が良いことも研究の結果からわかっています。(湿度は皮膚吸収性には影響しないようです。)
さらに温度・湿度・紫外線と気候の異なりますので、お肌状態や日常的に抱えるお肌のお悩みは日本人と海外の方とでは変わってしまいます。
これらより、お肌質やお肌のお悩みが異なる方々に向けた各国の製品が日本人に合うか?となると少し異なる可能性は高いです。

余談ですが
海外論文においては、敏感肌の1つの基準が10%乳酸の刺激の有無なのに対して、日本人は5%乳酸の刺激の有無が基準。このように敏感肌1つとっても日本とは基準が異なるので、敏感肌の定義も少し変わってくる、というと日本人とのお肌の違いもイメージしやすいですね。

安心して海外製品を販売いただくために、スピーディーかつ円滑に試験を実施致します。お気軽にお問い合わせください。
評価基準の本当のところ①
パッチテストの場合
パッチテストやスティンギングテストの評価基準
どんな基準で評価するの?採用した方が良い評価基準ってあるの?といったご質問をいただくことがあります。
実際に用いられる評価基準や評価基準の選定について詳しくご説明してまいります。

パッチテストの評価基準
パッチテストで用いられる評価基準は大きく分けて2つあります。
本邦基準ICDRG(The International Contact Dermatitis Research Group:国際接触皮膚炎研究班)基準です。

本邦基準では、評価から計算された皮膚刺激指数をもとに、製品の分類(安全品、許容品など)を導きます。化粧品等のパッチテストの場合、刺激反応を含めた反応を評価して製品分類までを求められる企業様が多いため、本邦基準を採用される企業様が多いです。
アレルギー反応を評価したい場合は、本邦基準は++以上を,ICDRG基準は+以上を陽性反応とすることから、ICDRG基準を採用される企業様が多いです。
何の試験の評価をするか、評価する目的で評価基準を使い分けた方が適切な結果・結論が得られます。
ICDRG 基準(スコア)
反応
説明
反応なし
陰性反応
?+
紅斑のみ
浸潤を伴わない紅斑、あるいは貼付部位全体に及ばない浸潤を伴う紅斑
+
紅斑+浸潤,丘疹
貼付部位全体に浸潤を伴う紅斑
++
紅斑+浸潤+丘疹+小水疱
貼付部位全体に浸潤を伴う紅斑、かつ一部に癒合しない小水疱
+++
大水疱
小水疱の融合または大水疱、びらん、反応部位には浸潤を伴う紅斑を認める
IR
刺激反応
刺激反応
NT
施行せず
施行せず
本邦基準
皮膚反応の程度
評価
反応なし
0
±
軽度の紅斑
0.5
+
紅斑
1.0
++
紅斑+浮腫、丘疹
2.0
+++
紅斑+浮腫+丘疹、
漿液性丘疹、小水疱
3.0
++++
大水疱
4.0
評価基準の本当のところ②
スティンギングテストの場合
パッチテストやスティンギングテストの評価基準
どんな基準で評価するの?採用した方が良い評価基準ってあるの?といったご質問をいただくことがあります。
実際に用いられる評価基準や評価基準の選定について詳しくご説明してまいります。

スティンギングテストの評価基準
スティンギングテストはパッチテストよりも一般的にはあまりよく知られていないため、評価方法もなんとなく分かりづらく感じる方も多いかもしれません。スティンギングテストの目的は『お肌が敏感な方が実際に製品を使用した際に、どの程度の刺激感を感じるか評価すること』です。
目的は明確に定義されているのですが、パッチテストと違って定められた評価ガイドラインや試験方法の基準がないため、論文を参考にして実施されます。つまり評価基準は各社各様です。
例えば
対象評価者(スティンガー)の選定方法
評価の段階の設定(4段階、5段階、7段階)
評価するタイミング(時間や回数)
これらは様々です。

弊社の場合ですと
対象被験者(スティンガー)の選定方法は5%乳酸に刺激を感じ、生理食塩水には刺激を感じない方10名
評価の段階は被験者様が迷わず回答しやすい4段階
評価ポイントは塗布直後・2.5分後・5分後・8分後の計4回のご評価をもとに平均値から製品の区分(刺激物質としての区分)を評価結果としてお渡しします。
これらを採用していますが、ご依頼内容・ご要望によっては変更することも可能です。

これらの試験評価条件も大切ですが、被験者様の参加時のお肌状態や参加時の管理(体温上昇によって感覚刺激の変動が無いように留意する等の管理)も大切です。
目に見えない『感覚刺激』。被験物質の評価に関するもの以外の要因を排除することも大切な試験条件となります。
評価基準の本当のところ②
スティンギングテストの場合の続き
スティンギングテストの評価基準まだあまりよく知られていないスティンギングテスト。パッチテストと違い、ガイドライン規定や基準がないこともあり、評価方法や評価基準は各社各様です。

例えば、刺激感を評価する場合、
4段階評価を採用される場合もあれば、
5段階評価や7段階評価を採用される場合など様々です。段階が多くなるほど、感覚刺激の描写がより細かくなり、明確に「刺激」とは言いにくい感覚や一時的な違和感も評価の対象となるものもあります。
これは参考にする論文等が異なるため違いが生じているのですが、各評価基準を用いることのメリット•デメリットあるかと思います。評価段階が多いほど、ちょっとした感覚の変化も評価していただけますが、『どこまでを刺激感ととるか?』や『どこまで採用する必要があるか?』は色々ご意見が分かれるところです。
ちなみに。うゆるでは、4段階評価を採用し最終的には、被験者10名における製品のスティンギングスコア(製品が『スティンギング物質ではない』〜『非常に強いスティンギング物質』の4段階でどこに入るか)を算出します。
どのような評価方法であれ、試験の目的はお肌が敏感な方(お化粧品などで刺激を感じやすい方)が製品を使った際にどの程度の刺激を感じるか?を適切に評価することです。

過度に刺激を感じやすい方や感じにくい方ではないか?
刺激感を感じやすい環境設定になってはいないか?
適切に評価するための設定や評価基準を設けて、データを蓄積します。
契約書の締結について
弊社が初めて業務を承る際には、ご依頼者様・ご依頼企業様と契約書を締結させていただきます。
ご依頼者様の大切な製品・製品情報をいただき、弊社も弊社の技術やノウハウ、ご参加被験者様の情報などをお渡しさせていただきますので、臨床試験の業務委託契約書年間契約で締結します。つまり、ご依頼のたびに締結するのではなく、初回のみ締結いただきます。多くのご依頼者様が都度異なる検体で様々な試験を円滑にご依頼いただくため、このようなご契約方法となっております。
契約内容も、ご依頼いただく臨床試験全般を賄えるような内容になっているため、ご契約書の変更がなければ次回以降に再度ご契約を締結いただく必要もありませんし、前回と異なる試験のご依頼も可能です。
締結方法は、電子契約にてご契約締結をいたします。弊社よりご依頼企業様のご指定のアドレス宛に契約書をメールにてお送りしますので、ご署名(お名前のご入力)と捺印(ワンクリック)をいただきます。ご依頼者様に電子サインサービスや電子印鑑などご準備いただく必要はございません。
ご署名いただく方に指定はございませんが、年間契約のため代表様・試験責任者(試験担当部署の長の方など)が望ましいです。
ちなみにOEM企業様を介して販売元様の製品の試験をご依頼いただいた場合、OEM企業様と弊社の2社間での契約でも差し支えございません。ただし、試験実施計画・結果報告書の無断転用は禁止させていただいております。
臨床試験って何?
そもそも臨床試験って何?なんでやるの?というお話。
臨床試験とは、人に対して試験品(製品)や治療法を用いることで得られる有効性や安全性を評価する試験のことを言います。
臨床試験を行う目的は、病気の予防や診断・治療の改善、生活の質の向上などを確認すること。
私たちが、健康で豊かな生活を送るためのお薬や医療機器、化粧品やサプリメントなどの製品を開発したり、治療法を研究に活かすために行う試みを臨床試験といいます。

臨床試験の中でも『治験』は、国への承認を得るために行う臨床試験のことを言います。
他にも、機能性表示食品の届出や特定保健用食品(トクホ)の申請を行うために行われる臨床試験もあります。
もちろん、弊社が行うお化粧品などのパッチテストも同じ。申請や安全性のエビデンスをとることを目的に、お肌トラブルが出ないか、といった安全性を確認することを目的としたパッチテストも臨床試験の1つです。
つまり
ざっくり分けると、治験もお化粧品の臨床試験も行うことの目的は同じです。
人に対してその試験品(製品)が安全なのか、効果があるのか、これらを確認することが目的です。
「毎日使用する化粧品が安全であるか?」
「疾患のある方に対して効果的かつ安全に使用できるお薬なのか?」
これらを確認するのが臨床試験です。

弊社うゆるのような企業(臨床研究実施機関)が、中立の立場で試験を受託して運営したり、実施したり、データをまとめたりしています。